2024年01月
思慮深い言葉:Dwight Robinson
1959年、米タイム誌はMFS会長のDwight Robinsonに記者を派遣し、同社初のファンドであるマサチューセッツ・インベスターズ・トラスト(MIT)を他のミューチュアル・ファンドと一線を画すものにしたリサーチ、リスク管理、大口投資家や小口投資家へのコミットメントについて、インタビューを行いました。
第二次世界大戦以降、多くの中流階級の投資家にとって、ミューチュアル・ファンドはあまりなじみのないものでしたが1、1950年代に入ると状況が変わり始めました。個人貯蓄が徐々に増加し、株式市場への関心が高まっていきました2。ミューチュアル・ファンド、中でもMFS初のファンドであるマサチューセッツ・インベスターズ・トラスト(MIT)への関心が高まっていました。1959年、MITは投資家数約20万3,000人、運用資産総額15億ドルに上る4米国最大のミューチュアル・ファンドとなり3、その成功がタイム誌の目に留まりました。
タイム誌は、当時MFSの会長を務めていたDwight P. Robinson, Jr.にインタビューを行うために記者を派遣しました5。Robinsonは、MFSの初代リサーチ・ディレクターであると同時に業界初のリサーチ・ディレクターとして、1932年にMFSに入社しました。その後、1954年から1965年まで会長を務めました6。
記者たちは数日間にわたってRobinsonに密着し、彼が資産運用マネジャーに求められるすべての素質を兼ね備えていることを目の当たりにしました。冷静かつ自信に満ちあふれ、規律正しく、厳格でした。タイム誌は、Robinsonが「予め決められたスケジュールに従って、まるでバランスシートのように正確に」行動していると記しました7。
投資に関してRobinsonは、「投資は科学ではない」、事実の収集と調査に基づいた「人間の判断である」と説明しています8、9。企業の工場を視察し、経営陣に鋭い質問を投げかけ、一般の従業員にも雇用主や会社の内部事情について必ず話を聞きました10。リサーチ・チームに「信頼と検証」の重要性を説き、リサーチ結果を信じつつ、自分の目と耳で検証することで、十分な情報に基づいたより良い投資判断を会社として下すことができると語りました11。また、特定のアナリストに個別の業界やセクターを担当させ、MFSのアナリスト全員に対して、ファンドのメンバーやアドバイザーに調査結果を定期的に公表するよう求めました12、13。MFS独自の強固なリサーチ力により、自分たちの資金が慎重かつ規律を持って運用されていることをMITの投資家は知っていました14。
Robinsonは、ミューチュアル・ファンドが大口、小口を問わずあらゆる投資家の長期的なニーズに応えるために構築されたものだと述べ、過去の実績、リスク管理への取り組みおよび、お客様のための長期的な利益の追求について熱く語りました。
温厚そうに見えるRobinsonでしたが、話し方には力強さがあり、他者の資産を守ることに関しては特に力強さがありした。ミューチュアル・ファンドが大口、小口を問わずあらゆる投資家の長期的なニーズに応えるために構築されたものだと述べ、過去の実績、リスク管理への取り組みおよび、お客様のための長期的な利益の追求について熱く語りました。
Robinsonと多くの時間を過ごしたタイム誌の記者は、1959年に「The Prudent Man(思慮深い男)」と題する記事の中で、「家計の資産に株式投資という考え方を持ち込むのに最も貢献したのはマサチューセッツ・インベスターズ・トラスト(MIT)であり、それは最古にして最大のミューチュアル・ファンド、かつ他のあらゆるミューチュアル・ファンドの模範となっている」と結びました15、16。
タイム誌に記事が掲載された直後、世界中から大量の手紙がタイム誌とMFSのオフィスに届きました17。あるミューチュアル・ファンドのセールスマンはこの記事について、「ミューチュアル・ファンドとは何かを最も端的に説明している」と評しました18。コネチカット州に暮らす夫婦は、RobinsonのMFSに関する描写に感銘を受け、MITの持分を購入するために50ドルの小切手を同封してきました19。この記事をめぐって最も心温まる感想の1つはミズーリ州の図書館司書からのもので、まさにMFSがターゲットにしようとしていた一般投資家でした。彼女は、「タイム誌の記事を読んで、自分が米国人であること、そして誰でもあなたのような企業の幹部に手紙を書くことができ、そのような忙しい方が一般市民の信頼を大切にしていると感じられる国に暮らしていることを嬉しく思いました」と記し、Robinsonの素晴らしさを称えました20。
RobinsonのMFSでの30年以上にわたる絶大な影響力のおかげで、MFSが「ボトムアップのファンダメンタル・リサーチ」と「潜在的な投資先に関する調査」を通じて顧客のために保有する銘柄について深く知ることは、現在のMFSにおいて欠かせない重要事項となっています21。
文末脚注
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